最新のお知らせ

「ピルやホルモン剤を飲んでますが、脱毛しても大丈夫ですか?」

問い合わせが大変多いご質問です。

脱毛サロンで、「ピルを飲んでいるのなら、お医者さん、医療機関から脱毛しても良い、と言う診断書をもらってきてください」と言われた、というものです。最近ではミレーナを使っている方からも同じようなご質問があります。

おそらくレーザー脱毛を行うのだと思いますが、ピルやミレーナと、レーザー脱毛を併用しても大丈夫だという科学的な証拠はありません。反対にだめだという報告もありません。検証されていないので分からない、と言うのが実情です。

レーザー脱毛は出力が強く、もともとデリケートな部分に使われるため、時々大変な、ただれなどを起こします。

脱毛サロンではクライアントとトラブルになることがあるそうで、医療機関の診断書があれば、トラブル回避につながると考えられているようです。

脱毛すること、トラブルの発生の説明と同意は、サロンとクライアントの間で行われていることで、医療機関が関与するものではありません。きちんとサロンからの説明を聞いた上で納得してお受け下さい。

一方で医療機関で行われる脱毛は、トラブルが起こった場合、きちんと治療をしてくれることが多いです。

脱毛に当たっては価格も大切かもしれませんが、しっかりとした施設で行われることが勧められます。

当院ではこのようなお問い合わせに対して何の証明もできませんし、診断書も作成できないことをお断りしておきます。

また、月経痛が強い場合に低用量ピルを勧めることが多いのですが、「脱毛が終わるまでピルは始めないように」指導されるケースがあります。ウィメンズヘルスケアの観点からは、看過できません。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

(初出:平成29年4月12日)
(補筆修正:平成30年9月21日、令和2年7月2日、20日、9月9日)
(補筆修正:令和3年1月22日、11月7日)